自社の社員がちゃんと仕事をしているのか調べてほしい
ご依頼者様情報大阪府在住49歳男性
情報量対象者2名の氏名、年齢、車両、予定の立ち寄り先、出社時間等
調査料金対象者2名 合計8日 1日8時間 調査員2名 車両1台 パック料金を適用
調査難易度★★★☆☆

相談の経緯

従業員の中で2名ほど、勤怠が悪い者がおります。
よくある話かもしれませんが、「営業に出ます」と言って外出するが成果を出さず、営業先に本当に行っているのかも分からない
相手先に確認すれば済むことですが、恥をさらすようなことなので大きな取引相手には確認がしずらい。
おそらく彼もそれが分かっているのか、確認がしづらい取引先ばかりに営業に出る。
社内ではGPSの導入を検討しているが、そういった機器は有効だろうか?
有効であればその使い方を教えてほしい。
もし、そこまで効果がないのであればどうすれば良いかも教えてほしい。
いずれにしても今回は営業職の社員2名の行動を調べてほしい。
出勤時間が9時からなので9時から帰社するまでの17時ころまでの行動を教えてください。
報告は随時いただけると助かります。
詳しいお話はご来社いただくときにお伝えいたします。
ご足労おかけしますがどうぞ宜しくお願い致します。

相談を受けて

以前、入社前の人物調査をご依頼いただき、それがご縁でお付き合いさせていただいている、大手D社様の人事担当の方からご相談を受けました。
社員の勤怠問題はどの会社でも頭を悩ませるもの、それが営業職ともなればなおさらなのかも知れません。
20年前とは違い、現在ではリアルタイムで追跡できるGPSも低コストで導入できるため、使ってみる企業も増えたようですが、効果は限定されているようです。
担当者様(以下、依頼者様と記載する)には、GPSでできることとできないことをお伝えして、今回のケースは実際に対象者を追跡する調査が必要不可欠になるとお伝えしました。
GPSは有効な手段ではありますが欠点がないわけではありません。
例えば地下の駐車場に入ってしまった場合は正確な位置が出せないことがあったりもします。
それ以外にも電池の問題もあります。肝心な時に電池が切れてしまっては元も子もありません。
また、位置情報は分かりますが、行動については直接見なければ分からないものです。
営業先の近くの駐車場に停めてどこかほかの場所に行ってしまっているということもあり得ます。
【どこにいる?】は分かっても【誰といる?】【何をしている?】というのは実際に見ないと分かりません。
上記の点をご説明して、ご相談にあった2名に関しては行動調査を行うことでご依頼をいただきました。

調査を開始して

2名とのことだったので1名づつ行動調査を行いました。

対象者1の調査

社歴5年目の中堅営業社員 27歳男性
予備情報として普段使用する社用車(自家用車)、これまでの営業成績、主な取引先企業などを伺いました。
調査は平日の5日間9時から17時、調査員は2名に車両1台で車を停めた後の追跡も行い、詳細な報告を送る形になる。

調査開始初日、対象者の出社は依頼者が確認をする。
我々は対象者が営業に出るときに使う自家用車を駐車場にて確認する。
もともと本日は出社後営業に回る予定とのことなので早々に出てくることが想定されるが、昼になっても出てこない。
依頼者もおかしいと思い、対象者に確認を取ると、午後に変更になりましたとのこと、依頼者は予定が変わったら報告をするようにと伝え、我々に予定変更の連絡を入れる。
14時頃に対象者が1人で社屋から出てくる、そのまま敷地内にある駐車場で車に乗り外に出る、予定されている営業先に向かうと思ったが全く別の方に向かっていく。
対象者は予定の場所ではなく大きな公園の駐車場に停車、車内を伺うと携帯電話を操作したり通話しているのを確認する。
どのような話をしているのかなどは不明。
依頼者にはこのことを報告、対象者に連絡を入れると追跡が発覚する恐れがあるので、まだ何も行動をしないように依頼する。
対象者はそのまま2時間程度駐車場で滞在してそのまま帰社。
調査初日はここで終了となる。

調査2日目、予定通り調査を開始する。
本日も依頼者から対象者出社の連絡を受けたのち、駐車場にて対象者車両を確認。
この日は予定通り、営業先を3か所まわって帰社。

調査3日目は荒れた展開となる。
予定通り出社してすぐに外出、そのまま隣の県にまで移動する。
停車した先はパチンコ屋の駐車場。
すでに何人か開店待ちの状態でその列に並ぶ。
開店と同時に並んでいた人と店内になだれ込みそのままパチンコ台の前に座り興じ始める。
この時点で依頼者に報告を入れると、依頼者から言い逃れができないくらい明確な証拠にしてほしいとのこと。
現在の日時、車両が停車している場所、パチンコに興じている対象者1の様子が明確に分かるような撮影をして報告を入れる。
この段階で本日の調査は終了となる。

残り2日は、初日と似たような流れとなり5日間の調査の結果、まともに仕事をしていたのは1日のみという結果となる。
対象者1人目の調査はここで終了となる。

対象者2の調査

社歴12年の大ベテラン社員で38歳女性
予備情報は対象者1と同様のものを伺い準備を進める。
対象者2の方は出先で連絡がつかないことが多いため、ちゃんと営業先に行って仕事をしているのかどうかを確認したいとのこと
対象者2はしっかりと予定表に外出予定が入力されているため、予定が確認できる月曜日、水曜日、金曜日の3日間の調査を行う。

対象者2の調査初日、対象者2が出社後すぐに外出をする。
予定表にある目的地に向かう様子。
本日、予定表には3件の外出が記録されているとのこと。
目的地に到着した対象者2は駐車場に車両を停めて社屋内に入る。
調査員は対象者2車両近くで待機する。
2時間後、対象者2が一人で社屋から出てくる。
そのまま車両に乗車して動き出す。
対象者2の車両が飲食店の駐車場に停車する。
対象者2が店内に入りテーブルに座り注文をしているのを確認する。
依頼者に報告を入れると、外出先で食事するのは問題ないとのこと。
対象者2の行動は予定通りと思われる。
1時間後、対象者2が店内から出てきて車に乗車する。
対象者2はこの日2件目の営業先に向かう
2件目の営業先は1時間程度で終了し3件目の営業先に向かうと思われたが、予定とは違う方面に車で走っていく。
対象者2がマンションの駐車場で停車しマンション内に入っていくのを確認する。
調査員が対象者2が入室した部屋番と表札を確認には表札にはカタカナで表記がある。
何かのお店らしいとのこと。
依頼者に報告をするも何か分からないとのこと、「中に入ってもらえますか」とのことだったが、その話をしているうちに中から女性が1人子供を連れて出てくる。
友人の家か、託児所の可能性があるため、室内に入るのは避けて対象者2が外に出てくるのを待つ。
15分程度で対象者2が建物から子供と出てきて車両に乗り走り出す。
対象者2が再度マンションの敷地にある駐車場に停車する。
子供を連れてマンション内へ入っていくのを確認する。
部屋番号まで確認して依頼者に報告すると、対象者2の自宅とのこと。
どうやら営業の合間に子供の送迎をしていた様子。
対象者2は子供を降ろした後、車両に乗り予定にあった3件目に向かう。
3件目の社屋に入り、2時間程度で出てくるのを確認する。
対象者2はそのまま帰社する。

対象者2の初日の調査は終了となる。
対象者2は2日目、3日目も初日と似たような行動を取っているのを確認。
勤務中に子供の送迎を行っていたという事実が判明したが、これについては直属の上司から許可を得ていたとのこと。
それ以外は特に問題のある行動はなかった。

調査報告の後

対象者2名の調査を終えて依頼者に報告書を渡したところ
「確かにGPSだけだと何をしているのかは分からないですね」とのことでした。

今回の調査を経て対象者1は素行の悪さから厳重注意の上減給処分になったそうです。
社内にも告知されてしまい、二度と同じことをしない誓約書まで書かされた様子。
依頼者は本人が心を入れ替えてくれることを祈りますとのことです。

対象者2の電話に出ないという事情については問題なしとされました。
※できるときに折返しの連絡は入れていたらしい

社員を疑うときりがないですが、人間は怠けたり魔がさしたりするもの
それを防ぐためには定期的に今回のような調査を行い、社内を締めるのも良いのかもしれません。