不貞行為について

依頼者様が探偵事務所に浮気調査を依頼するにあたり、多いのがその先にある「慰謝料請求」や「離婚」を目的にしている場合です。
しかし、慰謝料請求や離婚を法的に相手に請求するためには様々な理由、証拠が必要です。
その理由の一つとして挙げられるのが「不貞行為」という訳です。
基本的に依頼者様たちはこの不貞行為の証拠を押さえるために探偵事務所に調査を依頼しています。
しかし不貞行為についてしっかりと理解している方はかなり少なく、知らないままにしてしまうと後に慰謝料請求や離婚がスムーズにいかずにややこしくなったり、損をしてしまう事が多いので、今回はその不貞行為について詳しく解説していこうと思います。

不貞行為とは何か

不貞行為と呼ばれる行為についてどのような行動がそう呼ばれるのか、またどのような状況であれば慰謝料や離婚を請求しスムーズに事を運ぶことができるのかまとめます。

不貞行為の定義とは

不貞行為とは主に既婚者の方が夫婦関係にある人以外の人と性的関係になり肉体関係を結ぶことを言います。
しかし必ずしもこれに当てはまるということはなく、肉体関係を結ばなくても不貞行為と認められる場合もあります。
ただその例は少なく基本的には性的関係にあるという証拠がないと不貞行為とは認められません。
この不貞行為が、離婚の請求ができる条件の１つの離婚事由として法律によって定められています。

不倫、浮気との差

よく聞く言葉で不倫、浮気というものがありますよね。
不貞行為と近しい意味合いで使われる場合が多く混同されがちなのですが、ここには大きな違いがあります。

浮気

浮気は主に配偶者や恋人がいるのも関わらず、その他の人と恋愛感情を持つこと、持つ行為全般を指します。
ここには必ずも肉体関係や恋愛関係を伴う必要はなく、不貞行為との差は歴然です。
また浮気の場合は、個人的な問題や社会的な問題を引き起こす可能性は十分にありますが、法が関与してくることは少なく、法的処置の対象になることはほとんどありません。

不倫

不倫は主に既婚者の人が配偶者以外の人との間で恋愛関係にあることを指します。
特に不倫の場合は肉体関係がある場合が多いですが、肉体関係がなくても不倫と認められることもあり、不貞行為とかなり近しいところはあります。
また不倫は法的に相手に慰謝料の支払い義務を課すことはできませんが、この行為が不貞行為と認められるとそこで初めて法的処置の対象になります。

不貞行為との違い

このように不貞行為と浮気、不倫の間では、離婚事由となるかどうか、法的処置の対象になるかどうかなどの明確で分かりやすい違いがあります。
また不倫や浮気を裁判で不貞行為として成立させるには具体的な証拠が必要となり、その証拠を押さえるための調査が必要不可欠です。
しかし証拠があったとしても不貞行為として認められる場合と認められない場合があり、そこには様々な理由、条件があります。

不貞行為として認められる場合

基本的にお互いの自由意志で肉体関係を持った場合、多くは不貞行為として認められます。
肉体関係と言ってもいろいろ段階がありますが、挿入を伴った性行為はもちろんのこと挿入を伴わない前戯なども肉体関係に含まれます。
また不貞行為には風俗店などで店員から性的サービスを受けることや、反対に風俗店で働いてお客さんに性的サービスをすることも含まれます。
一度でもそのような行為をしてしまえばすべて不貞行為とみなされ法的処置の対象として扱われます。

不貞行為として認められない場合

肉体関係があると認められない場合は基本的には不貞行為としては扱われません。
例えば手を繋いだりデートをすることや、キスやボディタッチをしたりしてもそれは肉体関係にはならず、基本的に不貞行為と認められることはありません。
また肉体関係があったとしても、それが自由意志ではなく強制されたものだった場合は不貞行為として認められません。
しかし一部例外もあり肉体関係がなくても不貞行為と認められたケースもあります。

肉体関係がなくても認められるケース

実際にあった例として、夫が不倫をしていて肉体関係はなかったが、夫とその女性が共に過ごした時間が長く、長期間にわたり親密な関係を持っていたとして、その行動が妻に対する精神的な苦痛を長い間引き起こし、様々な損害を与えた場合に「精神的な不貞」として慰謝料請求が認められました。
この事例は肉体的な不貞行為ではなく、精神的な不貞として裁判で認められた珍しい例で様々な条件が揃った場合にのみ、認められることがあります。
その条件には二人の間で培われた信頼関係や夫婦関係にある年数、不倫を行っていた時間などが含まれます。

不貞行為が認められると

冒頭でも話しましたが証拠を掴み、不貞行為が認められると、その被害にあった被害者は慰謝料の請求、離婚請求が認められます。
この慰謝料は、不法行為により精神的苦痛または被害を被った場合に被害者が加害者に対して請求できるもので、不法行為が成立した時点で被害者はかなり有利になります。
逆に不法行為が認められないと慰謝料の請求は認められません。
そしてもう一つ認められることが離婚の請求です。
現在の日本では、夫婦間で協議しお互いが納得した場合は協議離婚が成立しますが、協議がまとまらず、片方の同意が得られない場合は離婚が成立せず、離婚するために裁判所に離婚判決をしてもらわなければなりません。
しかし、そこには例外もあり裁判で離婚事由として認められた場合に限り、相手の同意なしで離婚を成立させることができます。
その離婚事由は複数存在しますが、その中の一つとしてあるのがこの不貞行為になります。

不貞行為をした有責配偶者

不貞行為をしてしまい婚姻関係が破綻する原因を作った配偶者のことを有責配偶者と呼びます。
有責配偶者は離婚訴訟において不利な立場にあり、裁判をして離婚をしたのちに被害者に対して慰謝料を支払う義務が課せられます。またその他の財産分与や親権問題でも不利になることが多いです。
また有責配偶者になると仮に不貞行為で婚姻関係が破綻してしまったとしても、有責配偶者側からの離婚請求は基本的に認められなくなります。
ただこれにも一部例外があり、長期間の別居や子供の有無などによっては認められる場合もあります。

不貞行為の証明

ここまでの不貞行為についての説明を聞いて理解できた方も多いと思います。
しかし実際に裁判の中で不貞行為を証明し、成立させるのはかなり難しく難航する場合がほとんどです。
なぜかというと不貞行為は目撃者が少ないことが多く、証拠を集めることがとても難しいため立証ができないからです。
不貞行為の証拠として最も有力なのが行為を撮影した録画や写真、ボイスレコーダーによる音声などですが、個人で入手するにはあまりにも難易度が高く、また入手できたとしても入手した方法によっては犯罪に問われてしまう可能性もあります。
しかし特に証拠もなくＬＩＮＥの内容で疑わしい発言を見つけた、２人の写真を発見したなどだけでは不貞行為としては認められず、慰謝料も取れないで離婚もできずに泣き寝入りなんてこともあります。
なので不貞行為をしっかりと証明するためにも、どのような証拠が有効で、どのような手段なら合法的に証拠を収集できるかを理解することが重要です。
その為にも専門の探偵事務所に相談し、専門家の力を借りながら効率的に証拠を集めることが最も安全で効果的です。

慰謝料請求できる期限

不貞行為に対して慰謝料を請求できる期間には時効が存在します。
原則として被害者の方が不貞行為の存在を知ってから3年が経つとその不貞行為に対して慰謝料の請求ができなくなってしまいます。
また、不貞行為が行われてから２０年経ってしまうとその行為を被害者の方が気が付いているか、いないかは関係なく、その後に慰謝料を請求することはできません。
これについては離婚も同じで不貞行為が原因で離婚した場合、離婚に対しての慰謝料が請求できるのですが、その期限も離婚が成立してから３年となっており、３年を過ぎてしまうと慰謝料の請求はできなくなります。
その為、不貞行為が発覚し慰謝料を請求したい場合は迅速に証拠を集め、できる限り早く請求に向けての準備をすることがとても大切です。

不貞行為についてのまとめ

ここまで不貞行為について様々な説明をしましたがここで簡単にまとめていきます。

  • 不貞行為は離婚を請求できる理由の一つになる。
  • 不貞行為を認めさせるには肉体関係があったことを証明することが重要。
  • 肉体関係の証明はとても困難であり、証明するには決定的な証拠が必要。
  • 肉体関係がなくても不貞行為と認められる事はある
  • 個人で証拠を集めると気が付かないうちに犯罪行為をしてしまっている可能性がある。
  • 不貞行為が認められると相手の意志に関係なく離婚ができる。
  • 慰謝料の請求には期限があり、期限を過ぎてしまうと請求できなくなってしまう。

不貞行為の証拠を集め、証明するにあたり欠かせないのが専門家の力になります。
慰謝料請求に期限があるので、できる限り迅速に証拠を集める必要がありますが、個人で証拠を集めていると犯罪行為になってしまう可能性もあります。
また相手にバレてしまう危険性もあり、バレてしまうと警戒されて証拠集めがさらに困難になることが多いため、証拠集めなどは専門家である探偵事務所に依頼することが最も安全で効率もいいです。
探偵事務所に依頼すると、証拠を集める際ほぼバレることなく決定的な証拠を集めることができるため、そのままスムーズに慰謝料請求へと進むことができます。
もし、不貞行為を発見し一人で悩んでしまっている方がいらっしゃいましたら一度ご相談ください。
探偵事務所ブライトでは無料相談も行っています。
ぜひ一度、悩んで取り返しのつかない事態になる前にご相談を！